クラフトフェアまつもと2016 開催報告
5月28日(土)、29日(日)の二日間、第32回のクラフトフェアまつもとが開催されました。
出展者数は282組、来場者数は初日35,200人、2日目21,800人、計57,000人となりました。
穏やかな天気に恵まれたことで、より多くの方々に楽しんで貰えたようです。
すこし残念なお話から・・・フェア周辺の商業施設、公共施設へのこっそり駐車が増え、お叱りをいただくこととなりました。数年前もこのような事態により、フェアの開催、存続が危ぶまれました。折しも東日本大震災を目の当たりにし、相互の思いやりの大切さに気付いた年だったように思います。土台となる地域コミュニティの日常生活を潰しては、フェアを続けることは出来ないのです。小さな思いやりの有る無しが、作家の表現の場所、自分自身の好きな場所の存続を左右します。来年以降も笑顔で出会えること期待して、ご来場は公共機関をご利用ください。思いやりとご協力をいただきますよう、心よりお願いいたします。
あがたの森のそこかしこで、寝転んだり子ども達がはしゃいだり、思い思いに過ごしている風景をみて、こんな自然な感じで、会場のそれぞれの良さを生かした作品展示や、コミュニケーションが生まれていくのがいいなぁと、改めてイメージが明確になりました。
自らの作品をあがたの森の中でどのように生かして魅せることができたでしょうか。これが自分の仕事、と表現された空間と作品に、心地よく刺激されたいと思っています。
初日朝の場所決めについて、例年会場内の雰囲気の悪さが課題となっていました。今年はこれまでの方法を一新し、取り組みました。次回への課題は残ったものの、出展者の皆さんの反応もよく、やってみてよかったと思っています。
場所の善し悪しは、売り上げの多い少ないに終始して欲しくはないと思っています。わたしたちは「出店」ではなく「出展」という文字に大いにこだわりを持っています。区画化されたルールや過剰な案内、サービスは、安心もするし楽ちんです。でもそれ以上に大事にしたいのは、偶然の出会いや出来事に刺激され、楽しむこと。ルールがないことは、不安や怒りを覚えることもあると思いますが、自分の欲求への気付きのきっかけなのだと思います。
フェアはとても大きなイベントになりました。時にこうした考え方はこちらの自己満足、エゴなのかと悩むこともあります。けれど、松本だからこそ、この場所だからこそ出来る、天然記念物級の自由なのだとも思います。
フェアはボランティアスタッフそれぞれが得意分野を生かし、すこしづつ協力しあって成り立っています。フェアに関わりたい。そう思って集まり、悩み、考え、智恵と行動を出し合うみんなに感謝と敬意を表します。目指すイメージは諏訪の御柱。綱を大勢で持つことで一人の負担は自覚しないほどに軽くなります。みんなが楽しくいられるように、刺激を受け何かしら得られるように、そして、フェアが続けられるようにあればいいなと思っています。
最後に、今年2月11日にご逝去された日高英夫さんのご冥福を祈り、第1回よりフェアを牽引してくださった存在に感謝いたします。
では、また来年。笑顔で。
創作のエネルギーは世界を変える
クラフトフェアまつもと2016
実行委員長 市川 真理