あれれれ… いつのまにかクラフトフェアまつもとは40回目になったんだね。

私事ですが、まだ並べるものもないのに来年はここに出るぞ！と決めたのが、たしか2回目のフェアのとき、それからガラスコップを作るのをなりわいにしてもう40年近くが経ってしまったのです。

クラフトフェアまつもとでは参加するのを、「出展」と呼んでいます。以前、あがたの森公園には「公園内での物品の販売はできません。」と書いた立札がありました。そのせいか「フェアでは販売目的の出展はできません。あくまでも出展に付随する行為として販売が認められています。」といったよくわからない説明がされることもありました。

公園の規則に引っ張られてたのか、当初より理念があったのか、いずれにしてもクラフトフェアまつもとでは「展示」という意味合いに重きを置いています。作品をみてもらう、そしてそこで生まれるやりとりを大事にしています。たくさんの作品が売れてるのはうれしいことです。ただ、販売を第一義に考えるのではなく、それは評価の証、出展の結果として自然に付いてきたものだととらえていただければありがたいです。

このごろは2日目に作品が完売してしまうことが見受けられます。この趣旨からもある程度の作品は残して置くなどの対策をとっていただくことも必要かと思います。

もうひとつ、クラフトフェアまつもとのそれらしさを形作っているものに、あがたの森公園にあふれる「こんなのを作って生きてるよ」という作り手自身の自負や気概があるように思います。それは声高々にというよりも、むしろおずおずとしていたり、斜に構えていたりしていることも多いように感じます。フェアでは自由に場所を決め、思い思いのやり方で作品を並べます。そのせいか作り手の生身があらわれやすいのかもしれません。ある意味、作り手自身も展示の対象物になっているのでしょう。

さて40回目のクラフトフェアまつもと、あがたの森公園ではどんな世界が繰り広げられるのでしょうか。出展者と来場者が織りなすヒトとモノの曼荼羅、ふと、そんな景色を想像してみました。

どんな景色ができあがるにしろそれを作るのは出展者の皆様です。どうか、たくさんの応募を切にお待ちしています。

クラフトフェアまつもと2024 実行委員長  前田一郎